つぎに。


11月、30余年使って来た名前が変わることになった。
日本だと、これはたった1枚の紙を記入して提出すると終わってしまう行事なのだが、
この国では少々複雑だった。市役所でわれわれ2人とそれぞれの証人がサインする儀式を
しなくてはならない。その日を予約をする為に随分長い間、日本から書類をそろえるのにかかってしまった。


人生は何十年もある。
早くにパートナーを見つけたとしたら、それまで生きて来た時間の何倍もの時間を一緒に過ごす
ことになる。その長い時間をどう過ごして行くのかが大切だ。だから、あまりこの結婚とか、
子育てとかそういう大きな行事を焦ってやることはないのだと思う。全部あわててやってしまったら
もったいない。もちろん、ずっと同じ関係よりは少しずつ進展して行ける関係がいいから、
時がきたら、いろいろなことをひとつずつ。


思いっきり、ゆっくり2人の人生と時間を生きつつ、そろそろ次のフェーズかなあ、と2人が
思えば次のことをやる。子育てだって20年くらいで終わってしまう訳だから、長い人生の1/4ぐらいの
時間だ。だから、ゆっくりゆっくり次に行けばいいのじゃないかなーと思うのだ。いつでもいいのだ。


わたしたちは出会ってから8年という時間をお互いに好きな暮らしをしてきて、その関係を
満喫してきた。そして、この時間があったからこそ、いま次のフェーズにいくこともとても
自然に受け入れられる気がする。社会のしきたりにあわせようとして急ぐことはない。
仕事がやりたければ、飽きるまで仕事をやればいい。いつかきっとその次のことをやりたい時が
くるはずなのだ。歯車が1つ、くる、っと自然に回転するときがくる。
何がきっかけかは人それぞれなのだろうけれど。


人生は予測ができない長い道のりだけれど、だから、その行き先の見えない小舟にゆらゆら揺られながら
ぶつかっていく新しいできごとを、ひとつひとつ楽しんでいきたい。