いくか。ひくか。


昨日2年ぶりに知り合いをたずねた。


いつ建築家をやめるか考えた方がいいよ、という話になった。
彼はベルリンがバブルだった時代に建築の設計をしていた人だけれど
その後やめて今はギャラリーをやっている。


誰かの下で設計するのと、自分の責任で設計するのは違うよと。
人を使う立場になっても好きな設計をつづけられるならそれでもいいけれど
若い人たちと対等にクリエイティビティを保っていくのは今とは違う
バイタリティが必要だよ、と。そして事務所を運営していく責任も
重たくなってくるよ、と。人を雇うということはそういうことだ、と。


最近ますます訴訟の多い建築業界事情を目の前に、
ドイツで事務所をやりたいとはとても思わない。
誰がいつ何を言ったとかいちいち電話の記録をしている世界で
自由な想像力ははばたくまい。


その一方で、訴訟をいくつも抱えているにもかかわらず
相変わらず世界を楽観的にしか考えていないうちのボスはある意味すごい。
いまさら職業変えるなんて遅すぎでしょ?
といつも言っている。


あきらめない人が勝つ世の中に期待したいなあ。
やりたいことがあるうちは、ひいてはいけない。