とどけもの/Today's good thing


この街から飛び立とう、としたら急に名残を惜しんでくれるようにいろいろな物が
届いたりする。来年の手帳とCD。このCDを頼んでいたことすら忘れていた...。
なんで頼んだのだったかなあ?このあまりに何気なく頼んだArgerichのSchumannとLiszt。
スイスの中古屋に注文していたらずいぶん届くのに時間がかかったもんだ・・・。
頼んで24時間でくるamazonもいいけれど、こういう間の抜けた感じのテンポもまた
いいのかもしれない。


それにしてもこのヒト。正座して聞いてしまいましたよ。
何気なくやってきたくせに、いきなり正面パンチをくらってしまった。
メインのLisztのソナタから最後まで1時間ほとんど息もつけないほどの
緊張感が私を縛りつける。


迷いのない、確かで、潔く、厳しい、それでいて涙がでそうなほど優しい、音。
私はいつまでもこういう女の人に憧れ続ける。
ああ、そして何を思ってSchumannはこの曲に


So rasch wie mo"glich (できる限り早く)、


なんて書くのだろう。こんなにも精巧で緻密に組み立てられた世界に
rasch、とつける気持ちは建築の世界にはあり得ない感情のあり方だ。


もし10歳の私に戻れるのならpianoをもっと弾けるようになりたかったなあ。
あの頃の不真面目な自分がうらめしいなあ。
毎日何時間だって鍵盤に向かうことができたのに。


リスト:Pソナタ

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