記憶力増強計画


さて、2つ前の日記でもふれた「記憶力を強くする」を週末の電車で読み終わって、ただいま相棒のところから借りてきた「進化しすぎた脳」で通勤中。カラマーゾフを読み終わってからというもの、なんだかどんな本もすらすら読めてしまうので、うれしい。


そもそも私がなぜこんなに「脳」の話にのめり込みはじめているのか、は、さかのぼること1年ちょっと、この日記をかきはじめたきっかけだった英語耳のサイトで、大脳生理学と言語野の話が出てきたからだった。自分がドイツ語を話しているとき、文法など素通りして自転車にでも乗るような感じで自動的に話している感じがして、その感覚を解明したいというか、英語の勉強に使いたいと思ったのだった。そんなとき見つけた英語耳のHPで紹介されていた英語の練習法は自分の頭の中で起こっていることの感覚にまさにぴったりだった。


この1年いろいろあって、英語のほうはさっぱり続いていないけれど、池谷さんの「睡眠論」に再び出会った。
話は右往左往するのだけれど、私は「記憶力」という能力にかなり興味がある。なぜなら、うちの事務所のボスが驚異的な記憶力の持ち主だからだ。とにかく、彼は建築家の名前と作品を覚えている量が半端ではない。これは設計の時すごい強みだ。(彼は電話番号みたいな意味のないものもよく覚えられる。)それで、「記憶力」という能力をまざまざと見せつけられつづけてきて、これははっきりいって個人差、なのだとあきらめてきた。


そこで、この「記憶力」を科学的に増強させる方法があるならぜひ知りたい、というかどこからこの能力の違いがくるのか知りたいと常々思っていたのだ。


記憶力を強くするには

  • まずは覚えようとする対象に興味をもち、脳内にθ波を発生させる。
  • ただ暗記するのではなく、いろいろなことを関連づけて覚える(エピソード記憶

→子供のときは意味記憶(暗記)の方が得意らしいが、大人になると論理的に覚える方が得意になるそうだ。
(記憶には適齢期がある。→語学の適齢期は6歳!というのはちょっとショック...)

  • 目の記憶より耳の記憶の方がすぐれているから、声に出して読んだ方がいい。
  • エピソード記憶したものは時々反復して記憶を定着させるべし(人に説明するとか)
  • 復習が大切。復習するには一定の間隔をおいて。

(一週間後、二週間後、一ヶ月後、二ヶ月後。脳に新しい神経細胞を発芽させて完全に覚えさせることが重要!)

  • 一度にたくさんのことを覚えない。(1日6時間やるより、2時間ずつ3日。)
  • 試行錯誤した方がよく覚えられる
  • 学習は手順が重要(いきなり難しいことより、順をおう方が脳は早く記憶する。大枠でとらえる→だんだん詳細に)
  • 記憶を定着させる為にはしっかり寝て、夢をみる(レム睡眠)ことが重要。その間に脳が記憶を整理整頓するそうだ。


さて、こうやってみると子供の頃から親や先生たちから言われ続けてきたことなのですけどね(笑
それでも、これらが脳の仕組みにかなっている、と分かるとやる気もちょっとは出ますね。
一番やる気がでた話は、「記憶力」は衰えない、というところ。大人になると丸暗記は苦手になるが記憶する力自体が衰える訳ではなく、論理的に物事を記憶する力は伸びる。大人になって記憶力が落ちた、と感じるのは子供の頃の様に「記憶」に時間をかけなくなるからだそーです。昔は中間テスト期末テスト実力テスト・・・と常日頃いろいろなことを復習して反復練習してきたけれど、大人になると授業もないしそこまで一生懸命暗記に時間をかけなくなるから覚えられないだけなのだそうです。


よかった。少なくとも「記憶力」は落ちないのだ。
そして、「記憶力」のキャパシティーにもきっと限界はないのだ。(「進化...」の方に書いてある話で、人間は脳の能力を全然使い切ってないらしい。なんと病気で脳が普通の10%の体積しかない人でも普段の生活にはなんら支障がなくIQも普通に100以上ある、らしい。)


それにしてもこれでは、どこから「記憶力」の差が生まれてくるのか全然わからない〜
と、きっと池谷せんせーも思ったのだろうなあ。
最後に、記憶力をよくする薬の開発の話などでココロをちょっとだけ明るくしてくれるサービス付き。


「進化しすぎた脳」は話がもっと過激になってます。
いや〜。前の本からたった数年でぜんぜん違う話になってきている。
脳はどこまで入れ替え可能か?みたいな話はちょっとすごい。
どこかでみたSFみたいな話が現実に・・・。