windows?

この国では窓というのは、厚いレンガの壁にうがたれた穴のことだ。その小さな穴をさらに窓の桟で仕切っていく。小さく小さく・・・。
お施主さんというのはどうも建築に対してノスタルジックな思いがあって、窓に仕切りの桟をつけたい、などと気軽にいうのだ。
そして、うちのボスは挑戦的に私にこういった。日本の障子だって同じようなものじゃないのか?


頭を悩ませること数分。jiuだって障子は好きだろう?だったらドイツの窓だって同じように仕切ってもいいじゃないか?
いや、ダメなんだダメなんだダメなんだ・・・。(私がダメだっていうのを分かってるくせに聞くなよなあ。なぜ古典建築でよくて現代建築ではダメなのか?という質問をよくしてくる。)
障子の格子はある枠があって、その中を細かく分けるものではない。
障子の格子というのは永遠につづくパターンのある部分が切り取られて偶然その空間を区画するもの,ナノだと思う。
あらかじめ決められた枠の中をこまかく微分していくヨーロッパの窓とは背景にある思想が違う気がする。
ヨーロッパの窓はそこに完結した世界を表現しようとする。でも日本の窓(という概念自体が日本の古典建築にはないだろうけれど。)ひいてはその開かれた壁の部分に日本人は空間の永遠の広がりを見ている。(勝手な解釈だけれど)


たかが格子されど格子。それをみつめる東西文化の隔たりはとてつもなく遠い・・・。