ふたり


ひょんなことから、ドイツ人のための日本語の教科書を作る,という仕事を手伝うことになった。
もちろん、私の担当は言葉自身ではなく、本のDTP、レイアウトの仕事なのだが。
しばらく、夜のお仕事は設計から遠く離れて、我が母国語の森へ。


さて、さっそくできている原稿にルビをいれていくという作業をはじめた。


「二人」


これって、ふ-たり?、 ふた-り?、 ふたり?
「二」は「ふた-つ」っていうし「ふた」かな?
でも
「人」は単独で「り」って読ませるのか?
はたまた、日本語特有の熟字訓ってやつ?


む、む、むずかしい(汗
これでは日本語を外国人に学んでもらうなんて、ちょっと申し訳ない
気すらしてくる。ヨーロッパ言語の名詞の性、なんてたいした問題では
ないかもしれない。


それにしても、いま勢いをなくしつつある我が国の言語を学ぼうとしている
人は逆に増えているらしい、というのは面白いことだ。ドイツではなんと
ギムナジウム第二外国語として履修できるところさえあるという。
え、なんで?日本の漫画をそのまま読みたい、アニメをそのまま見たい
という若者が増えつつあるらしい。これはもしかすると喜ばしいことなのか?
ジャパンマネーとかいう幻想から逃れ、ついに文化で世界に進出するときが来た
のだ?日本はこれから東洋のイタリアになればいい、と思う。食文化と
エンターテイメント文化を誇る小さな文化の国という世界の一画を獲得すればいい。


出前一丁とNISSINのCUP NUDELが普通にスーパーマーケットに
並ぶ日がくるとは思っていなかった。電車の中では子供がNINTENDOGS
遊んでいる・・・。電気屋のおにいちゃんとまでHARUKI NURAKAMIの話をする。
いつのまにかそれが当たり前の風景。日常生活にJAPANが溶けこんできている。
世界は変わっていく。