脳はどうやって外国語を処理しているのか。


職場で同僚とボスの会話を横で聞きながらちょっとはっとした。


konsequent flach! glatt! konsequent!
となにやらボスがkonsequent(コンセクウェント)という単語を連発している。


この単語が耳に急にひっかかった。
私はボスがいいたいことを、頭のなかでイメージできている。
konsequent flachとは、完全に右から左までずっとまったいら、という状態のことだ。
音が頭の中で意味すら介さずにイメージ(まったいらな表面)を描いている。


ここで、なんでこの言葉がひっかかったかといえば、konsequentという言葉だけを
取り出して、なんと言う意味かわかるか?と単語テストされたら、分からないだろうな、と
ふと思ったのだ。flachまたはglatt(どちらもここでは平ら,という意味。)に続いていたから
こそ、konsequentの意味する状態を思い浮かべられたのだ。


ちなみに独和辞典でこれを調べると、首尾一貫した、必然的な、徹底した、筋の通った、と書いてある。でも、これらの言葉が頭の中にでてくるわけではない。私は意味を考えることなしに音から
イメージ(画像)だけを取り出していた。意味はと自分に問うたら、durchgehentという違うドイツ語が思い浮かんだ。


これは面白いことだな、と思った。
私は、単語単体で言われると意味が分からない言葉がたくさんある。
○○○だよね?と突然問われると答えられない。
その言葉を知らないと全く意味を類推する手がかりが無いから,お手上げなのだ。
でも、konsequentのようにflachという他の言葉と結びついたとたん意味がわかってしまう
言葉がある。会話はそうやって全体として聞いて理解しているのだ。


ちなみに、konsequentの英訳は
consistent(首尾一貫した)/consequent(結果としておこる、必然の)だ。
こちらもまた単語テストだったらお手上げかもしれない抽象的な言葉だ。



最近、英語を勉強しだしてから、自分がどうやってドイツ語を理解しているのかにとても
興味がでてきた。英語耳のMatsuzawa先生は,こう解説している。


これがヒアリングだ!
音 → 雑音と・意味有る音を区別 → 言語野(イメージで瞬間的に理解) ←→ 論理的思考部分


言語野ではインプットされた音(会話)を脳の言語野と呼ばれる部分で瞬間高速で処理するためにイメージで理解しているらしい。それでは解決できないものだけを論理的思考部分におくるらしい。これは、私の体感イメージとぴったりくる。


抽象的な言葉は単語帳で修行のように覚えるものだと思っていたけれど、脳はそんな風に作動して
いないみたいだ。修行で覚えた単語は論理的思考部分に蓄えられてしまい、引き出しから出す処理に時間がかかるらしい。


でもこのイメージで単語をinputする作業って私はいつの間にしたんだろう?
口がひたすら覚えたのとはまたちょっと違う気がする。
英語でもこれ、できるかしらん。