the notebook 読了


週末、やっとthe notebook(悪童日記)を読了。


そういえば、この作品を読んだきっかけは先月「文盲」を
読んだから、というのとは別に、浦沢直樹の「MONSTER」の原型
になったのではないか、という話を目にしたからなのだ。


悪童日記は、戦争というものを、戦闘の前戦すなわち国境に
ある街に住む市民の日常という視点から淡々と綴る不思議な話。
それは、こんな子供いたらかなりいやだなという賢い、双子の
目を通して語られる。彼らが、痛み、や、飢え、や、
人に謝ること、や、人に恵んでもらうこと、や、
唖であること/聞くこと、や、盲であること/見ること、や、
主張をもつこと、や、人を愛すること、や、神様、や、お金、や、
権力、や性、性的暴力、様々な人間社会に否応なく
存在する事実について経験していく、という話。


はっきりいって、あまり気持ちのいい小説ではない。
聞きたくないことに耳を目を閉ざしていたい。
でもこれが人間社会なのだ、と容赦なく突きつけてくる。


さて、こんなストーリーでしかも、この結末!
物語好きなら、こういう結末が用意された小説を
見つけるのは至福の瞬間かもしれない。
想像をはるか遠く裏切られる。
かなり手ひどく。


The Notebook, The Proof, The Third Lie: Three Novels

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