つなげる/つながる

先週1つ年をとった。まあそれはいい。


先週生まれてはじめて、仕事として講演会の通訳をやった。某建築家氏の講演。
スクリプトの翻訳からはじめて結局3週間くらい準備にかかった。


会議の通訳というのは100パーセント会話の内容を通訳すればいいわけではない。
会話の流れがドイツ語と日本語でちがう。相手が要求している返答と違うことを
私のクライアントが答えた場合、うまくすり合わせる。ただやりすぎると、
次の質問が彼の答えとかけ離れたものになってしまい、会話がかみ合わない。


講演会の通訳と言うのは会議より簡単だということが分かった。
事前の準備は大変だが、あとはクライアントが伝えたいことを100パーセント
伝えればよい。アドリブの多いひとなら大変だが、それでもこちらが言いたい
ことだけ話せばよいからだ。


それにしても、何度やってもこの仕事は私は苦手だ。
通訳にすべてのキャスティングボートが与えられる。
会話の微妙な機微に瞬時に反応しなくてはならない。
ジョークにはジョークで返す。
それでいてクライアントの影でなくてはならない。


即興劇の舞台に立たされている役者の気分。
これは本当に冷や汗ものの連続なのだ・・・。


人生、できることなら、クライアントの方になりたい。